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ケア内容の変更による睡眠とADLの改善事例

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このタイガーロールでは、ケア内容の変更による睡眠状態の改善とそれに伴いADLが改善した事例を紹介いたします。

《対象のご入居者》

・年齢:90歳
・性別:女性
・介護度:要介護4
・既往症:アルツハイマー型認知症、慢性心不全、高血圧、
     骨粗しょう症、アレルギー症状が強い
・生活状況:自宅にて妹と暮らしていたが妹の逝去に伴い独居となり、
      ご子息が生活の支援をするようになる。
      アレルギーによる全身のかゆみが強く、自宅では「救急車呼んでください」と
      度々訴えがあり、在宅生活が難しくなる。
      近隣の病院に入院し、その後ホームに入居となる。

入居後の経過

ホームに入居当初、「薬をください」「救急車を呼んでください」等の訴えが多く、居室内を動き回る様子があった。排泄は自己で行うことができていた。
アレルギーに対する服薬を行い経過をみていたが、その後も体調不良や全身のかゆみによりまとまった睡眠が取れない状況が続き、食事量も低下するようになる。

2024年3月

2024年4月

図の赤枠部のデータでも夜間の断眠傾向が見られる。

食事量の低下(1割程度の摂取)、断眠傾向が継続しており、排泄で失禁することが増え、ADLの低下により、おむつ交換対応に変更となる。
また、独語や大声が見られるようになる。

ケア内容の変更

6月に入り、ご子息の面会時に本人の好きな食べ物や在宅での生活状況等、改めてヒアリングを実施。

ヒアリング結果)

  • 自宅ではコンビニのおにぎりをよく食べていた。
  • エビフライ、鳩サブレが好き等の情報を得る。

取り組み内容)

  • コンビニのおにぎりを提供したところ、まるまる1個完食。
  • エビフライをスタッフが購入し提供したところ完食。
  • 本人より「おなかがすいた」と訴えあり、ご子息が持参した鳩サブレを提供したところ完食。
    →主食を「ごはん」から「おにぎり(小さいサイズを2個)」に変更。
  • ライフリズムナビデータから日中に臥床している時間が多いことに気付き、離床時間を確保するため、ダイニングで過ごしてもらうことに変更。

服薬変更)
日中、ダイニングにいる時間に傾眠することが多くなっており、アレルギー薬の副作用が考えられたため、6/20〜アレルギー薬を減薬、毎食後から朝食後、寝る前に変更。

ケア内容の変更後の変化

  • 主食のおにぎりを1個は食べるようになる。
    その他の食事も少しずつ食べられるようになる。
  • ご子息の面会の際に発語がみられるようになる。
    その後スタッフとも会話ができるようになる。

7月~

  • ポータブルトイレに一人で行けるようになる。
  • 車いすを自走してトイレに行くようになる。
    「トイレ連れてって」から「トイレ行きます」と発語内容や意欲の変化が見られる。
  • 独語や大声も見られなくなる。

2024年6月

2024年7月

図の赤枠部の睡眠データで日中の睡眠時間が減り、夜間帯でまとまった睡眠が取れるようになる。
日中の臥床時間も減っている。

現在の状態

  • 昼夜、自分でトイレに行けるようになる。
  • 食事も自己摂取できている。
  • おかずはあまり好きではないが一口だけ食べている。おにぎり対応は継続中。
  • 全身のかゆみも落ち着いており、以前ほどのかゆみはなくなっている。
  • 日中はレクにも参加し、意欲的な様子が見られている。

まとめ

このタイガーロールでは、ご入居者の生活歴をもとにしたケア内容の変更や日中の傾眠状態の気付きから服薬内容の変更を行ったことで、睡眠状態の改善、排泄や食事面でのADLが改善した事例をご紹介しました。

ライフリズムナビのデータと普段の生活状況を複合的にみてケアの内容を変更することで、よりご入居者に合ったケアを行うことができます。ぜひライフリズムナビデータをご活用ください。

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