睡眠に課題がある方への活用事例

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このタイガーロールでは、睡眠に課題のあるご入居者への具体的な対応として、ライフリズムナビのデータを活用しながらPDCAサイクルを回して改善された事例をご紹介します。

《基本情報》

・性別:男性 要介護度:要支援2 
・2021年3月に施設へ入居。
・腰椎圧迫骨折にて通院中。
・マイスリー5mg1錠を眠前薬で内服中。
・「寝れない」「夜中すぐ目が覚める」「トイレに行きたくて起きるというより、
 目が覚めたからとりあえずトイレに行くんだよ」と意思の訴えあり。
・入居当初に比べ、徐々に睡眠時間の減少がみられる。

4月の睡眠ログ

目次

PDCA1周目:日中活動を促す対応

プロセス① アプローチの仮説を立てる(Plan)

《薬に頼りたくないご入居者のご希望》
ご本人様はできるだけ薬には頼りたくないとの希望があったため、服薬はせず、活動を促して頂くことで改善するのではないか?
ケア内容を「日中活動促し」で計画する。

プロセス② アプローチを実施する(Do)

《日中活動/足浴の対応》
約一か月間夕方に足浴を行ったり、ご自身にて日中に廊下歩行等の運動を実施。

プロセス③ アプローチ実施後のチェック(Check)

《日中活動の促し後の効果測定》
日中活動の促しなどを実施するも、ライフリズムナビの睡眠ログより改善は見られず。

5月の睡眠ログ

6月の睡眠ログ

プロセス④ プラン/対応変更(Action)

《服薬調整の試み》
日中の過ごし方だけではなく、服薬の調整も試みることで、改善するのではないか?

ここまでで、PDCAのアプローチが一周しました。
一周目の結果を踏まえ、二周目に入ります。

PDCA2周目:服薬調整での対応

プロセス① アプローチの仮説を立てる(Plan)

《多職種とのデータ共有》
訪問診療医とライフリズムナビの睡眠ログを共有し、ご入居者に適した服薬を調整する。
ケア内容を「睡眠データを医療職と情報共有、服薬調整の検討」で計画する。

プロセス② アプローチを実施する(Do)

《内服薬の処方を変更》
ご本人様の希望に沿って、服薬ではなく日中活動の促しを中心にアプローチを行ったが、睡眠状況は改善せず。

医療職とライフリズムナビの睡眠データを共有し、次なるアプローチとして、処方薬の量の調整でアプローチを検討した。

2021年5月26日〜従来内服されていたマイスリー5mg1錠に加えて、デパス0.25mg 1錠が追加となる。

プロセス③ アプローチ実施後のチェック(Check)

《現れ始めた効果》
服薬の量を調整したことで、4時間未満の睡眠時間が減少し、ベッド上で休む時間が増えてきた。

プロセス④ プラン/対応変更(Action)

《継続的な睡眠状況の観察》
2週目のアプローチ方法により、睡眠状況に改善傾向がみられてきたため、服薬を継続し睡眠状況の観察を行っていく。

7月の睡眠ログ

8月の睡眠ログ

その後、不眠の訴えから半年ほど経過した11月には、ベッド上にてよく眠れるように変化が見られた。
睡眠時間6~7時間で安定し、ご本人様からも「よく眠れるようになった」と話されるようになる。

11月のログ

睡眠データの変化を確認することで、有効なケアの発見に繋がった。

目次